
「また同じ失敗をしてしまった…」
「どうして変われないんだろう?」
大人の愛着障害で悩んでいる方なら、一度はこんな風に感じたことがあるのではないでしょうか。実際に、愛着障害の克服は決して簡単ではありません。しかし、その理由を正しく理解することで、根本的な解決への道筋が見えてきます。
今回は、公認心理師として26年間で3,500人以上のクライアントをサポートしてきた経験から、大人の愛着障害の克服が困難な理由と、その対処法について詳しくお話しします。
愛着障害の根本的な原因とは?
まず、愛着障害がどのように形成されるのかを理解することが重要です。
わかりやすくするために、1つの例でお話します。
赤ちゃんは本来、泣くことで親に自分の気持ちや欲求を伝えようとします。しかし、泣いても無視されたり、「うるさい!」と怒られることが続くと、赤ちゃんの心には深い傷つきが生まれます。
この時に形成されるのが、以下のような根本的な感覚です:
- 「自分は大切じゃない」
- 「人は怖い存在だ」
- 「自分の気持ちを表現してはいけない」
これらの感覚が心に刻まれることで、赤ちゃんの「心の傷つき」、つまりトラウマが「愛着の傷つき」となるのです。
なぜ大人の愛着障害は克服が難しいのか
大人の愛着障害の克服が困難な理由は、実は非常に複雑で深刻な問題が関係しています。
1. 愛着の傷つきとトラウマの相互影響
愛着が不安定だと、それ自体が新たなトラウマの原因にもなります。これは「ニワトリが先か?卵が先か?」のような関係で、愛着の傷つきとトラウマは、どちらが原因で、どちらが結果かわからないくらい相互に影響し合っているのです。
例えば・・・
- 愛着障害により人間関係で傷つく → 新たなトラウマが生まれる
- 新しいトラウマが愛着への不安を強める → さらに愛着障害が悪化
このような悪循環が続くことで、問題は複雑に絡み合い、単純な解決法では改善が困難になります。
2. 乳幼児期の記憶が思い出せない理由
さらに深刻な問題があります。それは、愛着障害の根本原因となる乳幼児期の体験を、大人になると思い出せなくなってしまうということです。
なぜ思い出せなくなるのか、その理由は複数あります:
脳の発達による影響
一般的に、3-4歳より前の記憶は、脳の発達の特徴により、大人になってから思い出すことができません。これは誰にでも起こる自然な現象です。
心を守るための働き
また、とても辛い体験については、心が自分を守るために「思い出さないようにする」という働きが生じることがあります。
例えば、
- 怖い体験を「忘れたこと」にして日常生活を送る
- 辛い記憶に「ふた」をして、意識に上がらないようにする
- 苦しい感情を感じないよう、無意識に避ける
その結果生じる困難
思い出せないことで、以下のような困難が生じます:
- 「なぜいつも同じ失敗をするのか分からない」
- 「原因が分からないので、どう改善していいか分からない」
- 「自分の感情や行動をコントロールできない」
- 「結果的に自分を責めてしまう」
目に見えない、思い出せない問題を改善するのは、確かに困難です。しかし、だからといって改善が不可能というわけではありません。
根本的な克服への道筋
では、このような複雑な問題をどのように解決していけばよいのでしょうか。
潜在意識へのアプローチの重要性
大人の愛着障害の克服には、顕在意識だけでなく、潜在意識へのアプローチが不可欠です。
思い出せない乳幼児期の体験も、完全に消えてしまうわけではありません。意識では覚えていなくても、潜在意識には深く刻まれているのです。
例えば・・・
- 理由もなく特定の状況で不安になる
- 自分でも分からないのに、いつも同じ行動パターンを繰り返す
- 頭では分かっているのに、感情がコントロールできない
これらは、潜在意識に刻まれた記憶が影響している可能性があります。
【中野式】心理療法では、以下の3つのケアを統合的に提供しています:
メンタルケア(顕在意識へのアプローチ)
交流分析理論を用いて、現在の思考パターンや行動パターンを理解し、改善していきます。
トラウマケア(潜在意識へのアプローチ)
催眠療法や愛着再形成療法を用いて、潜在意識に刻まれたトラウマ記憶にアプローチします。
スピリチュアルケア(魂レベルのアプローチ)
日本人の死生観に基づき、より深い心の癒しを提供します。
あなたができる最初の一歩
愛着障害の克服が困難な理由を理解することができたら、次は小さな一歩から始めてみましょう。一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けながら、焦らずに進んでいくことが大切です。
まとめ
大人の愛着障害の克服が困難な理由は
- 愛着の傷つきと複雑なトラウマが相互に影響し合っている
- 根本原因となる乳幼児期の記憶を思い出すことが難しい
しかし、これらの理由を理解し、適切なアプローチを取ることで、根本的な改善は可能です。一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けながら、小さな一歩から始めてみませんか?
あなたの人生を変える第一歩が、ここから始まります。











