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本法則は、ジョン・ボウルビィの愛着理論における「心的表象(IWM)」の概念を再定義し、従来の愛着理論と臨床実践が抱える「原因」と「結果」の混同を解消するために確立された、【中野式】心理療法の理論的基盤を示します。
本法則は、ボウルビィの愛着理論を包含するとともに、交流分析理論とも統合し、臨床応用を可能にする上位概念として確立されました。
第1法則:【発達】初期設定と心のイメージへの転換の法則
定義
愛着とは、乳幼児にとっては、生物学的な「初期設定(Initial Settings)」として養育者への行動的近接を求めるシステムです。しかし、言語獲得以降(特に成人期)においては、その初期設定が内面化され、その後の人生を支配する「心のイメージ(IWM)」という表象システムへと転換されます。
臨床的意義
大人の愛着障害は、物理的な他者(親やパートナー)を必要としない内部システムの問題です。したがって、安全基地となる他者を外部に探し求めるといった「再現性のない運」に頼る必要はありません。
愛着再形成療法による心理的な介入により「心のイメージ」を直接修正することで、自律的かつ高い再現性をもって克服が可能となります。
第2法則:【機能】信念体系と人生脚本の形成・維持・強化の法則
定義
第1法則で形成された心のイメージは、認知機能の発達とともに汎化・言語化され、自己と世界を定義する「信念体系(Belief System)」へと構造化されます。成人期において、この信念体系は交流分析理論の「人生脚本(Life Script)」として完成し、その後の運命や人生の結末を無意識のうちに決定づけます。
臨床的意義
大人のIWMの実体は、漠然としたイメージではなく、無意識の人生計画として形成された「人生脚本(物語)」です。現在の生きづらさは、過去の経験から導き出された「私は愛されない」等の歪んだ信念が、脚本に従って現実を創出し続けている結果に過ぎません。
つまり、大人のIWMは、日常の生活から将来の人生計画にいたるまでをも予測・計画し、思考・感情・行動を制御する「心のOS(オペレーティングシステム)」として機能します。
したがって、根本治療には、TA発達段階コラージュ療法による原初的なイメージへの介入と同時に、誤って構築された「脚本の書き換え(再決断)」が不可欠となります。
第3法則:【伝達】世代間連鎖(コピー)の法則
定義
親の心のイメージ(IWM)は、行動や言語とは独立して、非言語的・無意識的な交流を通じて子どものIWMに忠実に「コピー」され、愛着パターンを世代を超えて連鎖させます。
臨床的意義
この「コピー」のメカニズムは、悪循環だけでなく好循環も生み出します。親が自身の「心のOS」をバージョンアップすれば、その変化は即座に子どもへと非言語的に伝達されます。
ゆえに、親への介入こそが、子どものメンタル不調を最も短期間かつ根本的に改善する最短のルートとなります。
補足事項(技術的要件)
低覚醒状態の必然性
IWMへの直接介入は、外科手術における麻酔と同じく、過覚醒による再トラウマ化のリスクを回避し、神経生理学的に安全な領域で処理を行うための「低覚醒状態(セーフティモード)」の確保を必須の原則として要求します。
効率性の確保
この低覚醒状態での介入は、過覚醒状態での対症療法や時間的な分散を伴う治療に比べ、圧倒的な効率性と安全な深層処理を提供します。



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